ジャパン キャビア
国内最大手。県内の養殖業者の協同から発展。対米・対EU輸出向けHACCP認定、塩分約3%の低塩・熟成キャビア。国際会議の晩餐や航空会社のファーストクラスでの採用実績。

Market Brief · 2026年11月
日本は年間約30トンのキャビアを輸入する、アジア有数の市場です。財務省貿易統計(HS 1604.31)を軸に、市場規模・国別シェア・輸入価格帯・国内生産・提供シーン・日本のバイヤーが求める要件を整理しました。
財務省貿易統計 HS 1604.31(キャビア。代用品の1604.32は含まない)の各年12月累計値です。
輸入量(トン・棒)と輸入額(億円・線, CIF)2015〜2025年
2026年1〜9月:21,417kg(21.4トン)/17.9億円(前年同期 19.1トン/15.0億円、数量+12%)。このうち中国が数量の約58%を占めています。
平均輸入単価(CIF, 円/g)2015〜2025年
月別輸入量(トン)2023〜2025年の平均
2025年の原産国別・平均CIF単価(1グラムあたり円)。主要5か国を表示しています。
平均CIF単価(円/g)2025年
日本にはかつて在来種のミカドチョウザメが石狩川・天塩川に遡上していましたが、1935年頃から激減し、現在は国内では絶滅したとされています。今日の国産キャビアはすべて養殖によるものです。
日ソ漁業協力により、ベステル種200尾が宮崎県の水産試験場に到着。
人工ふ化に成功。
シロチョウザメの完全養殖に国内で初めて成功。
「宮崎キャビア1983」が11月に都内の百貨店で発売。初年度は約15kg、2015年には約200kgに。
近畿大学「紀州スターレット」が12月に業務用販売を開始(2026年9月から一般販売)。
国内最大手。県内の養殖業者の協同から発展。対米・対EU輸出向けHACCP認定、塩分約3%の低塩・熟成キャビア。国際会議の晩餐や航空会社のファーストクラスでの採用実績。
岡山県新見市の養殖場。約12,000尾を飼育。
瀬戸内の養殖場。ベステル、アムールなど種ごとのキャビアを展開。
熟成を特徴とする小規模生産。
静岡県の生産者。
1995年に研究開始。非加熱・岩塩のみ・−40℃冷凍。生後2か月でのDNA雌雄判別で効率化。
国内生産の合計は年1〜3トン程度(推定)で、輸入量の1割未満です。国産は「少量・プレミアム・産地のストーリー」で、輸入品と棲み分けています。
公開情報で日本国内での流通が確認できる主なブランドです(順不同。市場の例として挙げています)。
パリの老舗キャビアメゾン。日本向け公式サイトと直営店を展開。
パリのキャビアハウス。輸入食材店やワイン専門店などで流通。
フランス南西部アキテーヌ地方の養殖キャビア。
北イタリアの大規模養殖。業務用・小売の両方で流通。
日本法人の公式サイトを持つ新興ブランド。
世界最大級の生産者。2024年に約260トン・46か国へ輸出(報道)。香港取引所への上場申請書類では2025年に291.5トン、世界シェア36.1%。日本でも600g〜1.8kgのオリジナル缶が業務用に流通。
日本ではすでにカルーガ×アムールのハイブリッドが流通しています。種名を正確に表示することが、買い手の信頼の前提です。
ブランド名は各社の商標です。市場の状況を説明する目的でのみ記載しています。
日本では、キャビアは「主役」というより、繊細な料理に添える少量の贅沢として使われることが多いのが特徴です。

トロや白身の握り、ウニとの組み合わせなど、一貫の「アクセント」として数グラムを乗せる提供が広がっています。低塩で粒の張りがしっかりしたキャビアが好まれます。

出汁のジュレ、茶碗蒸し、先付けなどに少量を添えて。季節感と器の美しさの中で使われます。

ブリニとサワークリーム、シャンパーニュと合わせるキャビアサービス。ホテルのキャビアフェアやシェフのイベントでは、1kgを超える大容量缶が使われることもあります。

お歳暮(12月上中旬)、クリスマス、年末年始が最大の需要期。桐箱や化粧箱に入った小容量缶が中心で、賞味期限と冷蔵配送が重視されます。
写真はすべてAIで生成したオリジナルのイメージです。実在の店舗・ブランドとは関係ありません。
日本の業務用・小売バイヤーとの商談で確認される項目です。要確認:通関業者・規制の専門家 の印がある項目は、制度上の要件を含むため、必ず専門家に確認してください。
粒の大きさ・色・張り・風味による等級基準を文書化し、ロットごとに一貫させること。
学名と一般名を正確に。例:Huso dauricus × Acipenser schrenckii(Kaluga × Amur hybrid)。「ベルーガ」「カルーガ」だけの表記は誤認につながるおそれがあります。
チョウザメ目は全種が附属書II。タイ当局の輸出許可書と、容器ごとの再使用できないラベル(種コード・原産国・収穫年・加工施設の登録番号・ロット番号など)が必要です。
要確認:通関業者・規制の専門家HACCPなどの認証、加工施設の情報、衛生証明書。輸入時は食品衛生法に基づく輸入届出が必要。日本ではホウ酸は使用できず、安息香酸などの保存料にも基準があります。
要確認:通関業者・規制の専門家おおむね−2〜+4℃を維持。出荷から通関・国内配送までの温度ロガー記録を添付すること。
未開封の期限日数、開封後の扱い、製造日とロットの表示。非加熱品は短く、加熱殺菌品は長い(業務用の掲載例では最長180日程度)。
両方に需要があります。レストランは非加熱・低塩を、ギフトや小売は期限の長い加熱品を選ぶことも。処理方法を明記すること。
国産は約2.6〜3.5%の低塩が主流。塩分(%)と使用する塩の種類を明示すること。
小売・ギフト向けは10〜100g、レストラン向けは125〜500g、ホテルやイベント向けに1〜1.8kgのオリジナル缶。
原産国名、輸入者の氏名・住所などの日本語表示が必要。関税率は一般6.4%。日タイEPA・AJCEP・RCEPでは無税となる可能性があります(原産地証明書が必要)。
要確認:通関業者・規制の専門家公表されている貿易統計の範囲では、日本市場にタイ産キャビアの輸入実績はまだ確認できません。先行者になれる余地がある一方で、買い手にとっては前例がないことも意味します。この点は今後も統計・関係機関で継続して確認する必要があります(未確定)。
過去の伸び方が続くと仮定した場合の、2031年の輸入量と輸入額の見通しです。3つの場合に分けて示します。
この節はすべて推測です。過去の伸びを単純に延ばした計算で、景気・為替・規制によって大きく変わります。
輸入量の実績(2015〜2025年)と予測(2026〜2031年、推測) 単位:トン
| 場合 | 量の伸び/年 | 円/gの伸び/年 | 2031年の量 | 2031年の金額 |
|---|---|---|---|---|
| 低い場合 | +3% | ±0% | 39.4 t | 33.3億円 |
| 中くらいの場合 | +7% | +2% | 47.7 t | 44.5億円 |
| 高い場合 | +12% | +4% | 60.0 t | 61.6億円 |
最大の注意点:市場が小さいため、1年で大きく動きます(2020年は−39%、2022年は+48%)。予測の幅はあくまで目安です。
1gあたりの輸入価格は、円で見ると2015年の63.5円から2025年の80.0円に上がりました。一方、ドルで見ると1kgあたり約480〜580ドルで、ほぼ横ばいです(UN Comtradeで照合)。このため、円での値上がりの多くは円安によるものと考えられます(推測)。
| 調査会社 | 市場の大きさ | 伸び/年 |
|---|---|---|
| Grand View Research(2026年7月更新) | 5.2億ドル(2026年見込)→ 7.1億ドル(2030年) | 7.9%(2024〜2030年) |
| Market Glass(MarketResearch.com、2026年10月) | 3.4億ドル(2025年)→ 5.9億ドル(2032年) | 8.0%(2025〜2032年) |
有料レポートの公開ページに載っている数字で、レポート本文は確認していません(閲覧日 2026-11-01)。2社とも世界の伸びを年8%前後と見ており、上の「中くらいの場合」(年約+7%)と近い水準です。Market Glassは日本の伸びを年4.1%と見ています。市場の大きさは会社によって1.5倍ほど違うため、目安としてご覧ください。
中国産のシェアは2015年の16%から2025年の49%、2026年1〜9月には約58%に広がり、日本で手に取れるキャビアの価格帯と量は大きく広がりました。今後は、店が料理や価格に合わせて産地を選べる選択肢が求められている、と考えられます(仮説)。
データの出どころと、推計の計算方法です。データの取得日はいずれも2026-11-01です。
財務省貿易統計(HS 1604.31 キャビア)の年計(2015〜2025年)、月別値(2023〜2025年)、2026年1〜9月の累計を基本とし、UN Comtradeで照合しました。国内生産者・ブランド・制度は、公式サイト・自治体資料・報道・論文などの公開情報(出典一覧)によります。
提供シーン(鮨・懐石・ホテル・ギフト)の傾向は、公開情報で調べた全国750店の一覧から整理しました。うち570店は、メニュー・予約サイトのプラン・口コミ・ホテル公式・プレスリリースなどでキャビア料理を確認しました。残り180店は生産者の取扱店リストやレシピ掲載などによるもので、常時の提供は確認していません。一覧は複数の調査を統合し、店名と住所が同じものを1店として数えています。店ごとの使い方・銘柄・出典は「店舗一覧」ページにまとめています。
平均CIF単価=輸入額÷輸入量(円/g)。国別シェアは数量・金額それぞれの合計に対する比率です。CIFは運賃・保険料込みの輸入申告価格で、関税・消費税や店頭価格は含みません。
月別の山は2023〜2025年の各月平均から算出しました。2026年の伸び率は1〜9月累計を前年同期と比べたものです。
国内生産の合計(年1〜3トン程度)は、公開されている各生産者の数量を積み上げ、非公表分に幅を持たせた推計です。「推定」「要確認」と記した箇所は確定値ではありません。
2026年の見込みは1〜9月の実績を10〜12月の比率(約37%)で割り戻した値です。2031年までは、量と1gあたり価格の伸び率を3通りずつ置き、5年間くり返して計算しました。すべて推測です。
データ・資料の取得日:2026-11-01(関税率表など一部は2026-10-31)。数値はその時点のもので、その後の改定は反映していません。
数値と記述の出典(括弧内は閲覧日)。制度に関わる内容は、必ず通関業者・規制の専門家にご確認ください。
店ごとの使い方は「店舗一覧」ページにまとめました。売り先など続きの分析は、別にお見せできます。